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# モジュール
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[](https://gezf7g7pd5.execute-api.ap-northeast-1.amazonaws.com/default/source_up_to_date?owner=erg-lang&repos=erg&ref=main&path=doc/EN/syntax/25_module.md&commit_hash=c8932f8fd75cc86f67421bb6b160fffaf7acdd94)
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Ergでは、ファイル自体を1つのレコードとみなすことができます。これをモジュールと呼びます。
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```python,checker_ignore
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# foo.er
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.i = 1
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```
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```python
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# fooモジュールを定義するのはこのレコードを定義するのとほとんど同じ
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foo = {.i = 1}
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```
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```python,checker_ignore
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# bar.er
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foo = import "foo"
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print! foo # <module 'foo'>
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assert foo.i == 1
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```
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モジュール型はレコード型でもあるので、分解代入が可能です。
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モジュールの場合は最後の`...`を省略できます。
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```python
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# same as {sin; cos; ...} = import "math"
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{sin; cos} = import "math"
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```
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## モジュールの可視性
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ファイルだけでなく、ディレクトリもモジュールとなりえます。
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ただしデフォルトでErgはディレクトリをErgモジュールとしては認識しません。認識させるには、`__init__.er`という名前のファイルを作成します。
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`__init__.er`はPythonの`__init__.py`と同じようなものです。
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```console
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└─┬ bar
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└─ __init__.er
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```
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これで、`bar`ディレクトリはモジュールとして認識されます。`bar`内にあるファイルが`__init__.er`だけならばあまりディレクトリ構造にする意味はありませんが、複数のモジュールを束ねて一つのモジュールとしたい場合は便利です。すなわち、このような場合です。
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```console
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└─┬ bar
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├─ __init__.er
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├─ baz.er
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└─ qux.er
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```
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`bar`ディレクトリの外側からは以下のようにして使用できます。
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```python
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bar = import "bar"
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bar.baz.p!()
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bar.qux.p!()
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```
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`__init__.er`は単にディレクトリをモジュールとして機能させるだけのマーカーではなく、モジュールの可視性を制御する役割も持ちます。
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```python
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# __init__.er
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# `./`はカレントディレクトリを指す。なくても良い
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.baz = import "./baz"
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qux = import "./qux"
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.f x =
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.baz.f ...
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.g x =
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qux.f ...
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```
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外から`bar`モジュールをインポートしたとき、`baz`モジュールはアクセス可能ですが、`qux`モジュールはアクセス不可能になります。
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## モジュールの循環参照
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Ergでは、モジュール間の循環的な依存関係を定義することができます。
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```python
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# foo.er
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bar = import "bar"
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print! bar.g 1
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.f x = x
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```
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```python
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# bar.er
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foo = "foo "をインポート
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print! foo.f 1
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.g x = x
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```
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しかし、手続き呼び出しによって作られた変数は、循環参照モジュールで定義することはできません。
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これは、Ergが依存関係に従って定義の順番を並べ替えるからです。
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```python,compile_fail
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# foo.er
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bar = import "bar"
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print! bar.x
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.x = g!(1) # ModuleError: 手続き呼び出しで作られた変数は、循環参照モジュールで定義できない
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```
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```python
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# bar.er
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foo = import "foo"
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print! foo.x
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.x = 0
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```
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また、エントリポイントであるErgモジュール（すなわち `__name__ == "__main__"` であるモジュール）は循環参照の対象になることはできません。
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<p align='center'>
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<a href='./24_closure.md'>Previous</a> | <a href='./26_object_system.md'>Next</a>
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</p>
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